JAK/STATシグナル伝達経路は、アトピー性皮膚炎の病態形成にかかわる、さまざまなサイトカインのシグナル伝達において重要な役割を担っています。
アトピー性皮膚炎の病態形成にかかわるJAK/STATシグナル伝達経路
監修:九州大学皮膚科 教授 古江増隆 先生
O’Shea, J. J. et al.: Annu Rev Med., 66, 311(2015)
野村尚史.: アトピー性皮膚炎:皮膚アレルギーフロンティア., 17(1), 27(2019)
椛島健治ほか編集: 本田哲也、宮地良樹 : エビデンスに基づくアトピー性皮膚炎治療 あたらしい潮流, 中山書店, 133,232(2019)より作図
バリシチニブはJAK1及びJAK2の両キナーゼに対して選択的で、細胞内環境を反映するATP濃度(1mM)におけるJAK1に対するバリシチニブのIC50値は5.9nM、JAK2に対するIC50値は5.7nMでした。その他の各種ヒトJAKファミリーに対するIC50値は以下のとおりでした。
各種ヒトJAK ファミリーに対するバリシチニブの酵素阻害活性(in vitro)
*a 検討した最高濃度
TYK:チロシンキナーゼ、cMET:受容体型チロシンキナーゼ、Chk2:チェックポイントキナーゼ2
方法:ヒトJAK ファミリーのJAK1、JAK2、JAK3 及びTYK2 に対するバリシチニブの阻害作用を、触媒ドメインを含んだ各ファミリーの切断型を用いた酵素アッセイにより検討した。蛍光発生ペプチドのリン酸化を測定し、バリシチニブの酵素阻害活性を50%阻害濃度(IC50)で表した。
社内資料:バリシチニブの効力を裏付ける薬理試験