
既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎を適応としたJAK1/JAK2阻害剤
オルミエントの作用機序<アトピー性皮膚炎>
アトピー性皮膚炎の病態形成においては、主にTh2サイトカインであるIL-13及びIL-4(皮膚バリア機能低下/炎症)、IL-31(かゆみ)、IL-5(好酸球の浸潤)が関与しています。
急性期及び慢性期のアトピー性皮膚炎に関与するサイトカイン

監修:九州大学皮膚科 教授 古江増隆 先生
野村尚史.: アトピー性皮膚炎:皮膚アレルギーフロンティア., 17(1), 27(2019)
椛島健治ほか編集: 野村尚史:エビデンスに基づくアトピー性皮膚炎治療 あたらしい潮流, 中山書店, 22-24(2019)より作図
オルミエントはJAK1及びJAK2活性を阻害し、シグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)のリン酸化及び活性化を抑制することによりシグナル伝達を阻害します。
オルミエントの作用機序

Fridman, J. S. et al. :J Immunol., 184(9), 5298(2010)より作図
JAK/STATシグナル伝達経路は、アトピー性皮膚炎の病態形成にかかわる、さまざまなサイトカインのシグナル伝達において重要な役割を担っています。
アトピー性皮膚炎の病態形成にかかわるJAK/STATシグナル伝達経路

監修:九州大学皮膚科 教授 古江増隆 先生
O’Shea, J. J. et al.: Annu Rev Med., 66, 311(2015)
野村尚史.: アトピー性皮膚炎:皮膚アレルギーフロンティア., 17(1), 27(2019)
椛島健治ほか編集: 本田哲也、宮地良樹 : エビデンスに基づくアトピー性皮膚炎治療 あたらしい潮流, 中山書店, 133,232(2019)より作図
オルミエントは、酵素阻害試験において、JAK1及びJAK2の両キナーゼに対して選択的に働くことが示されました(in vitro)。
各種ヒトJAK ファミリーに対するバリシチニブの酵素阻害活性(in vitro)

*a 細胞内環境を反映するATP濃度
TYK:チロシンキナーゼ
方法:ヒトJAKファミリーのJAK1、JAK2、JAK3及びTYK2に対するバリシチニブの阻害作用を、触媒ドメインを含んだ各ファミリーの切断型を用いた酵素アッセイにより検討した。蛍光発生ペプチドのリン酸化を測定し、バリシチニブの酵素阻害活性を50%阻害濃度(IC50)で表した。
社内資料:バリシチニブの効力を裏付ける薬理試験